ダカーポ589号(2006年8月16日号)

特集は「いま、もっとも『危険な人物』」「超多忙サラリーマンの最新読書術」。
ほとんどの連載が今号で最終回。
フツー、固定客を逃さないように雑誌のリニューアルというのは、そういう客があまり離れないようにやるもの。大幅にリニューアルするときは、抜き差しならない状況にある場合(このままでは雑誌自体が持たない)か、新たに就任した編集長が自分の色を出したい場合のどちらかの場合しか、まずない。
8月発売号からリニューアルというのは時期としてなんだか不自然。察するに「ダ・カーポ」自体が抜き差しならない状況にあるのでは?


現在の「ダカーポ」の場合、表紙周りにしか広告が入っていない(しかも、あまりお金のとれていなそうなものばかり)ゆえ、実売収入に頼るしかない。しかし、特集によって実売部数の幅が大きすぎる、つまり固定客のあまりついていないとなると……。
が、この状況は何も「ダカーポ」に限ったことではない。
読者層が明確な雑誌(「レオン」とか「キャンキャン」とか、日経BP社が出している奴とか)を除いて、いわゆる大手出版社が出している雑誌の大半は、実売収入・広告収入ともに危険水域に達しているかその瀬戸際にある。今後数年間で、(結構有名な雑誌でも)多くの雑誌がリニューアルか休刊を余儀なくされ、その代わり、何匹目かのどじょうを狙ったものの創刊が相継ぐだろう。
これから女性誌はさらに細分化が進み、男性誌男性誌で「レオン」のモノマネ雑誌ばかりが生まれ、消えていくだろう。幕の内弁当的な総合誌は消えてゆくのではないか。


8月16日発売の「ダカーポ」が、どのようなリニューアルを遂げるのか、私は知らない。
でも、「ダカーポ」、もう買うことはないような気がする。
さよなら、「ダカーポ」。また今度。