井上薫「『蛇足判決』で害された人権」

朝日新聞4月2日朝刊(東京版)オピニオン面「声」に、『死刑の理由』などの著書がある横浜地裁判事・井上薫の投稿が掲載されていた。
男児のノドに割り箸片が刺さっているのを見逃し死亡させた容疑で、担当医師が業務上過失致死罪に問われた事件で、東京地裁は3月末に「無罪」判決を出したのだが、その判決末尾の「付言」で、<被告人は過失に対する批判に謙虚に耳を傾けるべきであろう」と述べた(らしい)。
井上薫は、その付言を「蛇足」だと指摘し、こう続けている。

被告人は、この蛇足によって医師としての信用と名誉を毀損されたにもかかわらず、主文で無罪とされたことにより、控訴して「過失なし」を主張する機会を奪われた。

こういう裁判官ばかりだといいのだが…