帰宅後

きょう買った或る月刊誌を、巻頭から順番に読んでいく。巻頭から、やられる。この人の小説を読むと、なんだかなぁと思うことが多いものの、この人の文章はこれからも読み続けていきたい。少なくとも、この人は、この人自身にとってインチキな言葉を口にしないから。
北朝鮮画報(そんな雑誌は、たぶん、ない)のようなひどいグラビアをふっとばし、気になるページを拾い読みしていく。なぜ、こんなに、何かのためのするようなインチキな文章を書くのだろうか? 自分の生活のため? イデオロギーのため? それよりももっと大きな何かのため? 人間誰にもプライドはあるし、生活がある。偏見も当然ある。そのための言葉を、決して否定はしない。でも、だ。「自分の正しさ」を主張したいがためだけの言葉に対して、私は激しい怒りを覚える。いや、その言葉自体にではない。その言葉の背後に垣間見える何かに対して。