同世代

QJ」で、佐々木敦×吉田大助の対談「ゼロ年代文学をめぐって」で、取材者の前田和彦さんが、こう指摘していた。

九〇年代にポップカルチャーの分野では「渋谷系」がありましたよね。実は文学でその役割を担っていたのは講談社文芸文庫坪内祐三さんだったと思うんです。ゼロ年代によって「ジャンルの底」が抜けたのは結果的に良かったことだけど、現在の文芸批評、主にカルチャーよりの批評が、講談社ノベルスじゃなくて、講談社文芸文庫を語らないことが、ひとつの文脈を黙殺しているように思えます。

巻末の「Contributiors 寄稿者紹介」によれば、前田さんは、1981年大阪生まれとある。
また、「文学界」3月号のロングインタビューで、1983年生まれの青山七恵が、

ちょうど「酒鬼薔薇事件」が起きた時、私も同じ十四歳で、その後佐賀のバスジャック事件などで「キレる十七歳」と言われた時も、やっぱり十七歳だったんです。

と語っていた。*1
同世代の表現者が少しずつ増えていくのは、嬉しい。

*1:どうでもいいが、たぶん私と同学年。