郊外が都市を包囲する。
午後1時過ぎ、ベッドからのそのそ起き上がる。「王様のブランチ」を見ながら、しばしぼぉっとする。
午後2時半、駅前まで歩く。
マックで、月見バーガーセット。
右手に座っていた学生と思しき男性は、新潮社から出ていた真っ赤な装丁の全集本、林芙美子の巻を読んでいた。その近くには、「文学界」を読んでいる男性も。ちょっと嬉しくなってしまう。
ああそういえば、「群像」も「新潮」も「文学界」も読んでいないなぁ…とか思いながら、きょうの予定を考える。
きのう、「くるまにあ」の名物連載だった、福野礼一郎「Tokyo中古車研究所」(通称「T中研」)が「F-ROAD」という雑誌で復活していたことを知った。
この手の自動車雑誌は、郊外の、たとえば千葉や埼玉、神奈川のコンビニや金太郎飴書店には結構置いてあるが、都市部ではあまり見かけない。
神保町の「オタクの殿堂」ならばあるのでは、と思い、神保町へ。
まず、日本特価書籍で
佐藤八寿子『ミッション・スクール』中公新書
- 作者: 野矢茂樹
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2006/09/01
- メディア: 新書
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日本特価書籍は、印刷所(で働いている人)から見本刷りを買い取っているらしいという話を聞いたことがある。ので、取次にまだ搬入していない本も入っているかもしれないと思ったら、やはり入っていた。
何軒かハシゴし、書泉グランデ6Fで、ようやく発見する。
特選外車情報 F ROAD (エフロード) 2006年 10月号 [雑誌]
- 出版社/メーカー: マガジンボックス
- 発売日: 2006/09/09
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所期の目的を果たしたので、東京堂へ。
Esquire (エスクァイア) 日本版 2006年 11月号 [雑誌]
- 出版社/メーカー: エスクァイア マガジン ジャパン
- 発売日: 2006/09/22
- メディア: 雑誌
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雑誌特集なので、購入。
- 作者: 鈴木宗男,佐藤優
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/09/22
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佐藤優本は、必ず買うようにしているが…
- 作者: 三浦しをん
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/09/21
- メディア: 単行本
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三浦しをん本も必ず買う。
伯剌西爾で、アイスコーヒー。
「エスクァイア」、思っていた通り、物足りない。
この種の、「PEN」や「TITLe」「BRUTUS」「GQ」などの「ライフスタイル誌」は、ビジュアル優先だから、ある程度は仕方がないといえば仕方がないのだが。
でも、「コンサイス版、ADの系譜。」はちょっとね。「コンサイス」過ぎるし、くくり方が大雑把すぎる。
ただ、「culture finds」はいい。都築響一、堀江敏幸、野地秩嘉、永江朗、町山智浩や柳下毅一郎などが書いている。
三省堂へ。
ここの2階、文庫コーナーがリニューアルしてから、購入欲がわかなくなってしまった。
いまどきの、郊外のロードサイドにある書店のように感じられるから。什器や本の配置が、すっかりそうなってしまっている。
紀伊国屋の新宿店もそう。JRの駅ナカ書店もそう。
いや、本屋だけじゃない。
立ち食い蕎麦(講談社のPR誌「本」10月号で、原武史が「鉄道ひとつばなし」で、山手線駅そばの味が画一化したと書いている)も、ショッピングモールも、商店街の状況も……都市が郊外化している。
郊外型書店のような売り方の方が、たしかに効率がいいのだろう。
でも、だ。しかし、だ。
そういう売り方なら、書店員はいらない。取次から来た本をそのまま並べ、出版社から送られてきたPOPSやポスターを飾り、あとは客が来るのを待ち、レジ打ちしたり本にカバーしたりするだけでよい。
で、こういう書店は、代替性がきく。他の書店と違いはないに等しいのだから、本を買うのに、わざわざ足を伸ばす必要はない、駅ナカの書店や会社や自宅近くの書店に行けばよい。
三省堂や紀伊国屋は、「大きいから行けば、欲しい本が必ず見つかる」と思われているから、いきなりすぐに集客力が落ち込むことはないかもしれない。が、ほとんどの本を「立ち読み」することができるようになるなど、ネット書店がいま以上に充実していけば、集客力は大幅に落ち込む。
その点、東京堂やジュンク堂は良くも悪くも、「書店員」の存在を感じる。
「あの本屋に行きたい」と積極的に思わせるような本屋にしていかないと、言い換えれば、リアル書店でしかできないことをやっていかないと大変なことになるぞ。
書店だけじゃなくて、出版社も「雑誌でしかできないこと」「書籍でしかできないこと」を真剣に考えないと、大変なことになると思うのだが。