気になる本 本やタウンから

『新約 太宰治田中和生
講談社 5月10日 1,890円
■憧憬の中の作家・太宰治。その21世紀における作家性とは。新しい太宰論、評論界新星の登場。

2000年に江藤淳論で三田文学新人賞を受賞し、現在は「文学界」で連載(「文学まであと少し」)を持ち、「群像」「新潮」にもよく寄稿している田中和生は、いまでも〈新星〉なのか。

少年文芸(2)』谷川俊太郎ほか
新風舎 5月10日 882円
■詩とマンガと小説のコラボ文芸誌第2弾。「少女」をテーマに巨匠・谷川俊太郎や今話題の人気作家が全力投球。

あのよくもわるくもシッチャカメッチャカだった「少年文芸http://www.pub.co.jp/syonenbungei/、まだ続いていたのか。

『武士にて候』内山朝治
東洋出版 5月2日 1,600円
■「この改革は御法度か」。江戸末期、下総で農村改革を推し進めた浪人、大原幽学。その生涯と関東取締出役、奉行所との闘いを描く。

これ、タイトルがよくないね。ストレートに「大原幽学」を本題にしたほうが売れるように思う。

東洋文庫ガイドブック(2)』東洋文庫編集部編
平凡社 5月17日 1,680円
■若くして出会った運命の1冊、旅の道連れ、小説の種本など、東洋文庫との付き合いのさまざまを、訳者・校注者を含む40余人が語る。

東洋文庫はちょいと手がでない(自分では買わない)人には、うってつけ。

『バスで旅を創る!』加藤佳一
講談社+α新書 5月18日 840円
■終着駅のその先を歩く旅は、バスでしかできない醍醐味だ。ユトリを楽しむバスの旅がブーム。手づくりのマイ・トラベルに出かけよう。

終着駅のその先を歩く旅は電車でもできるんじゃ…。

『最後の幕閣 徳川家がつけた51人の通信簿』徳川宗英
講談社新書 5月18日 880円
■徳川家の視点で見ると明治維新の本当の意味がわかる。意外な素顔も見えてくる。徳川家伝来の豊富な資料から歴史を徹底的に再構築。

通信簿っていわれるとね…。

『食べる日本語』塩田丸男
講談社新書 5月18日 840円
「ごはん」と「めし」や、「食う」と「食べる」は別のもの。食べもの言葉に隠語が多いのはなぜ。食いしん坊民族が生み出した日本語をおいしく検証。

講談社の新書、最近、新潮新書めざしてないか?

『日本人には思いつかない「居酒屋英語」発想法』J・ギャリソン
講談社+α新書 5月18日 860円
ベトナム参戦、「プラハの春」ドイツ駐留、禅寺の雲水、ボクシングのレフェリーなどを経験してきた米国人教授による「日本の心で読む」英会話。

「居酒屋英語」……。

愛国心を疑え!』鈴木邦男
講談社新書 5月18日 735円
三島由紀夫が「愛国心は嫌いだ」といった意味は何だったのかなど、新右翼の大物が書き下ろすまったく新しい天皇制と国家論。

鈴木邦男に向かって、「新右翼の大物」というのは“不敬”ではないか。

『古文は冒頭が面白い』鈴木健一
講談社新書 5月18日 735円
■古典文学の大河の間にまに掬い上げられる名句に、連なってゆくまでの流れ、そこから新たに生まれる流れを辿ってゆく。

古文は、「冒頭」(だけ)が面白いのですか?

松本清張と昭和史』保阪正康
平凡社新書 5月10日 756円
松本清張から「記録者」としてのバトンを受けた著者が、『昭和史発掘』『日本の黒い霧』を読み解き、清張史観を再検証する。

某渡辺先生の清張論は読む気にならないが、保阪先生のものは読みたい。

村上春樹論』小森陽一
平凡社新書 5月10日 819円
■多くの読者に「癒し」や「救い」を感じさせた『海辺のカフカ』。この小説の真実はどこにあるのか。村上春樹の意図を明らかにする。

多くの若者に「癒し」や「救い」を感じさせたこともあった『日本共産党』。この政党の本性はどのようなものなのか。日本共産党の意図を明らかにする……そういう本を、小森先生に書いていただきたい。

『哲学事典』田島正樹
講談社現代新書 5月18日 40円
■何気ない言葉や哲学用語、概念の連関が鮮やかに浮び上がる。読みやすく奥深い、画期的な読む事典。

講談社現代新書、まだこういう路線もやる気あるんだね。

プラハ日記』ハヴァ・プレスブルゲル
平凡社 5月22日 1,680円
■身近な人が次々ナチスに連行される中、恐怖に怯えながらも自由を求め、最後まで冷静に社会を見続けた14歳の少年による歴史の証言。

プラハ日記といわれると、てっきり「プラハの春」の話かと思ってしまう

『疑惑のアングル』新藤健一
平凡社 5月15日 1,890円
■映像情報に仕組まれた謀略と戦略の過去と現在の実例を検証、迫り来る戦争の影を明らかにすべく書き下ろされた渾身のドキュメント。

「謀略」とか「迫り来る戦争の影」「渾身の」とか謳われると、陰謀論じゃないかと勘ぐってしまう

『語りえぬ真実』プリシラ・B・ヘイナー
平凡社 5月下旬 5,880円
■世界中でジェノサイドが生じるなか、人々を和解に導く真実調査委員会。過去の全活動を詳述する網羅的・実践的な初の概説書。

実践的な概説書ってどんな感じなのかな

『日本ジャズ者伝説』平岡正明
平凡社 5月22日 1,890円
■千葉・行徳、そこは戦後ジャズの敗残兵が隠れ棲む最後のアジール。80年代以降、ジャズの衰退に玉砕覚悟で拮抗する日本ジャズ者伝。

「ジャズの衰退に玉砕覚悟で拮抗する」というところが、平岡正明らしい。

『明治の若き群像 森有礼旧蔵アルバム』犬塚孝明/石黒敬章
平凡社 5月22日 3,570円
■森のアルバムに貼られた300人余の若き人々は、後に大臣、学者、実業家となる。比類なき人物アルバムの興味は尽きない。

平凡社、大丈夫か。5月、本出しすぎじゃないか。

『嗚呼!!明治の日本野球』横田順彌
平凡社 5月9日 1,680円
■「野球は日本男子には有害なり」といった議論をはじめ、その草創期のあまたの騒動記を編者の書き下ろし解説にからめて通覧する新編集版。

ヨコジュンの野球本だもの、面白くないわけがない