「図書」2006年春岩波新書リニューアル号から

鹿野政直岩波新書の歴史 付・総目録1938〜2006』 945円
日中戦争下の一九三八年、岩波新書は刊行を開始した。従来、二五〇〇冊に及ぶシリーズの歩みをそれぞれの時代と関連づけて描く。

総目録だけでも十分買い。鹿野政直だもの、内容もいいはず。木村毅が生きていたら……と思わないでもない。

斎藤貴男『ルポ 改憲潮流』777円
自民党の「新憲法草案」公表など、改憲を目指す動きが活性化している。彼らの目指すものは何か。丹念な取材で鋭く迫る渾身のルポ。

斎藤貴男の本の内容紹介、なんでいつも「渾身」という言葉が使われるのか。

樺山紘一『地中海―人と町の肖像』777円
地中海世界を体現する人物十二人を選び、歴史、予言、景観といったテーマごとに、交錯するその軌跡を描き出す歴史エッセイ。

樺山紘一は、古き良き時代の「新書」をいまでも書ける数少ない著者のひとり。

山口仲美『日本語の歴史』777円
■現代の日本語はどのように形成されたのか。国語史につきものの音韻、文法といった難物も軽々と乗り越える名調子で、解き明かす。

「名調子」って、講談なのかにゃ。

阿刀田高『ことば遊びの楽しみ』777円
■駄じゃれ、かけことば、アナグラム……。誰もが気軽に楽しめることば遊びは、日本語の「文化遺産」。その豊かな世界へ案内する。

阿刀田高、この人の本、気になっていても、ほとんど読んだことがない。

苅部直丸山眞男 リベラリストの肖像』777円
丸山眞男はどんな時代と格闘したのか。没後一〇年を経た今、二十世紀の日本を生きた一人のリベラリストの軌跡をたどる思想的評伝。

これは、ちくま新書っぽい。30代後半から40代前半の若い学者(アカデミズムの世界じゃ、まだまだ若造)にこういった教養ものを書かせるというところが

伊藤光晴『現代に生きるケインズ』777円
■「小さい政府」論が隆盛を誇る今日、『一般理論』はどう読み直されるべきか。新資料をもとに、現代日本の不況対策と重ねて考察。

伊藤光晴といえば、『ケインズ』(青版)。いちおう、保守本流もやりたいんだね。