「論座」4月号

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いやいや、驚いた。今月号、私にはツボでした。


坪内祐三「雑読系」、今回は岡崎武志『気まぐれ古書店紀行』を取り上げているし、今月号から書評欄が拡大されたことに伴い、新連載(マイナー出版社をとりあげるコラム「出版魂」、「本の虫日記」〔今回は饗庭孝男〕、「この人を見よ!」〔今回はアーサー・ビナード〕、「本から時代を読む」)開始。
坂崎重盛が『書痴 斎藤昌三書物展望社』〔八木福次郎〕票を寄稿している。


書評欄以外も充実している。

出井康博(『松下政経塾とは何か』新潮新書の著者)、池内恵、宮田律、吉崎達彦(『1985年』新潮新書の著者)が書いていたから、新潮社の「フォーサイト」かと思ってしまった。

特集「新世代の論客たち U−40 PARTⅡ」、今回は7人とりあげられているが、どの論考も、そのまま膨らませば新書になるかんじ。ちくま新書光文社新書講談社現代新書集英社新書平凡社新書あたりから、この人たちの新書が今年中に出るかも(って、あくまでも憶測ですが)。五十嵐太郎はもう新書だしていますが(『新宗教と巨大建築』講談社現代新書、『過防備都市』中公新書ラクレ)。


構造改革叩きを嗤う」もいい。小泉改革には必ずしも承服できないけれども、構造改革は必要ではないか、という問題提起は重要だと思う(とくに今年は)。
最近になってからレフト系の人たちが言い出している"構造改革”批判――なんでもかんでも「改革」のせい――には、納得できない部分がかなりある。ああいう批判だと、旧来の左翼や小泉嫌いにしか伝わりませんって。
そもそも「構造改革」って左翼(イタリア共産党日本社会党など)の専売特許だったわけでしょ。だからさ、「改革」は素晴らしいけど、小泉流改革はダメってやらないと←でも、これって総論賛成、各論反対っていう旧来の自民党だ…。