NTT出版「シリーズ 日本の〈現代〉」

芳林堂で、NTT出版から創刊される新シリーズ「日本の〈現代〉」(2005年10月25日創刊。全18巻)。
私が気になったのは、以下の巻。

●5巻 苅部直「リベラルな社会の教養」
複雑になり、明確な形を失ったこの世の中で、適切な判断を下す市民として生きるには、どんな手だてが必要なのか。本書はそのカギを、リベラルな社会を支える「教養」のあり方に探る。

●13巻 本田由紀「多元化する『能力』と日本社会――ハイパー・メリトクラシー化のなかで」
メリトクラシー社会からハイパー・メリトクラシー社会に移行を遂げつつある日本では、学力以外のソフトな諸能力が地位達成において重要化しつつある。その諸相を明らかにする。

●14巻 佐藤卓巳「テレビ国家日本の戦略」
教養の敵はテレビにあらず!「一億総ハクチ化」の呼び声に反して、中流幻想と日本の大衆教養を支えてきたのは、実はテレビではないのか。「メディア融合としてのテレビ」論を論ずる。

●15巻 平山洋介「東京の果てに」
東京が直面しているのはフロンティアの消滅である。技術はあらゆる未開拓の場所に介入し、人間が利用するための空間を押し広げてきた。成長と拡大という物語の終焉の果てに生まれる空間にはどのような意味が宿るのか。

●18巻 松山巌「死のかたちの消滅」
テクノロジーは日本人の生活規範を切り崩し、現実の生々しい力を喪失させてゆく。高齢化、少子化、共同体の崩壊は加速し、死と老いさえ技術化し、個人化する来るべき社会とは?