週刊読書人8月5日号

今週号は文庫本特集。

「著者・訳者から読者へのメッセージ」を読んで、つい欲しくなってしまった本。
 ●シモーヌ・ヴェイユ『自由と社会的抑圧』(岩波文庫
 ●荻原浩『神様からひと言』(光文社文庫
 ●佐賀純一『戦争の話をしてくれませんか』(新潮文庫
 ●浦沢義男『オペレッタ狸御殿』(河出文庫

各社の「売れ行き好調の10本」で、初めて知った本。
 ●保阪正康『陸軍良識派の研究』(光人社NF文庫)

「各社のぶんこ ここに注目!」。
平凡社ライブラリー岡崎武志が、中公文庫を加藤陽子が、小学館文庫を水口義朗が』などといった、ハルキ文庫を結城信孝が、河出文庫陣野俊史が、光文社文庫藤田香織が紹介している。
 読みたくなってしまった本。
 ●ウォルター・ウェストン『日本アルプス――登山と探検』(平凡社ライブラリー
 ●辻まこと『山からの言葉』(平凡社ライブラリー
 ●大島亮吉『新編 山 紀行と随筆』(平凡社ライブラリー
 ●平安寿子『パートタイム・パートナー』(光文社文庫
 ●井上荒野『もう切るわ』(光文社文庫
 ●東直己『酔っ払いは二度ベルを鳴らす』(光文社文庫
 ●ジャック=ピエール・アメット『ブレヒトの愛人』(小学館文庫)
 ●カーリン・アルヴテーゲン『喪失』、『罪』(小学館文庫)

結城信孝によれば、角川春樹事務所のハルキ文庫から<今秋十月には筆者が編者となった獅子文六吉行淳之介の作品が刊行される予定>。これは楽しみだ。

加藤陽子はこう書いていた。
加藤が文学部日本史学科で教え始めて5年目に「外相」を「がいそう」と読む学生が、十年目の今年には「三日」を「さんにち」と読む学生が現れた、と述べたあとこう続けている。

学生はちっとも悪くない。少子化の進展に比例して入学定員を減らし、適正な倍率で学生を選抜していれば、このようなことは起こらない。なぜそれができないか。そう、私もその一員であるところの教員定員を少子化と同じテンポで減らせないからだ。学生の知的後輩を斬る論は多い。だが、本来はその返す刀で大学側のご都合主義を斬らねばならないのに、それがなされない。

おっしゃる通りである。
少子化が進展するのを見据えたのかどうかは知らないが、学部学科を増設し、学士を粗製乱造しようとする、どこぞのバカ田大学は何を考えているのだろうか?

また、加藤は、<大学生協の調査によれば>、一ヶ月の書籍費を<自宅生で約二千円、自宅外生で約二千五百円しか本にまわせない状態にある>と書いている。
う〜む。
自宅生の私は、平均の20倍以上使っているのだが...。