日経夕刊「人間発見」今週は粕谷一希

日本経済新聞夕刊連載「人間発見」、今週は「伝説の編集者」粕谷一希(「私の履歴書」で連載して欲しかったと思わないでもない)。
中央公論社と私 鎮魂 吉田満とその時代 (文春新書) 反時代的思索者―唐木順三とその周辺

東大教養学科に行きたかったのですが、お前の成績では無理だといわれ、法学部に行きました。大学で通ったのは図書館だけですが、「時代」という同人雑誌にのめり込んで一年落第しました。反全学連の学生団体である「土曜会」が発行元でした。
駒場キャンパスでひなたぼっこしていると新居光という男に「お前の顔は雑誌づらしているから入らないか」と誘われたのです。新居はその後、東洋レーヨンで田代茂樹社長の秘書を務めた優秀な男でした。ほかには佐々淳行、大蔵省に入り最期は会計検査官になった矢崎新二、岩崎寛弥という三菱財閥の息子と全員がアンシャンレジームの息子たちでした。資金は代議士になる前の宇都宮徳馬氏が出してくれていたのです。

宇都宮徳馬といえば、宇都宮軍縮研究室を主宰し、『軍縮問題資料』の発行者した人物。
「時代」という同人雑誌がどのような雑誌だったのか気になる。