「週刊文春」

自宅最寄り駅のキオスクで、「週刊文春」7月21日号購入。
行きの電車内で、全部読み終えてしまった。
小林信彦「本音を申せば」、今回は「東京弁入門」。このテーマで1冊書いてくれると、後世のためにもなると思うのだが、どこかの編集者、小林さんに依頼してくださいませんか。
・渡辺和史「カーなべ」、今回は「誰でも乗れるスーパーカー時代!!」。渡辺さんは、テレビで、六本木ヒルズに住むセレブのフェラーリ360モデナスパイダーが地下駐車場のスロープから出てきたシーンを見たという。

まるで車椅子の百恵ちゃんが立ち上がる時のような感動を覚える僕。これまさに、赤い衝撃ではないか。
……と、四つの車輪が敷地を離れるや否や、すれ違う野田ナンバーのシャコタンマジェスタもたじろぐ轟音をけやき坂に轟かせて、セレブ様は青山方面へとブッ飛んでいかれた。

六本木ヒルズ近辺を、「野田ナンバーのシャコタンマジェスタ」と「フェラーリ360モデナスパイダー」がすれ違う。このシーンには、いまどきの六本木の(六本木ヒルズの)微妙さ加減が漂っている。

坪内祐三文庫本を狙え!」、今回のお題は、吉田満『「戦艦大和」と戦後』(ちくま学芸文庫)。
 先日、某私立大学生協にて書店員が「この大学では、なぜか『戦艦大和ノ最期』が売れない」と嘆いていた――他の大学生協では、この本が隠れたロングセラーとなっているらしい――が、この生協を利用する学生は結構ヒドイのが多い。「三島由紀夫は、ホモでマッチョの変態し、『葉隠』が座右の書って言ってるようなバカだから」とか「太宰は中学生で卒業したね、オレは」というようなことを口にする学生を、ここではよく見かける(とりわけ夏前は、そういう輩がよく出没する)。ここだけではなく、よく知らないのにレッテル貼りしたり、非常にわかりやすい「物語」をさももっともであるかのように語る学生が結構多い(なぜ、そういう奴らに限って語りたがるのだろうか)。
だから、私は「諸君!」8月号の「麹町電網測候所」に、2ちゃんねるのスレで吉田満が「サヨ」扱いされたことに対しても、さほど驚かなかった。うぅむ......。