「1冊の本」2005年7月号

小倉千加子「宙飛ぶ教室1 藤沢の海 大洗の海」
『結婚の条件』のときほどの衝撃は感じなかったけれど、小倉の連載は、今回も結構勉強になった。
たとえば、こういう指摘。
「日本の恋愛ドラマで育ってしまった」=「『恋愛コード』を内面化してしまう」と、<『冬ソナ』の世界に浸ることはできない。どこかで「もう許す」という気持ちがないと、『冬ソナ』の世界に浸ることはできない。浸るまでに、最初の4回は我慢する必要がある>。

今の時代にはですね、男性がモテる条件に、女性から見た好みの外見といいますか、女性のフェチを満たすカオとかガタイがありまして、今の大学生は、それを『生理的』という言葉で表現します。生理的に許容できないものは、意識では如何ともし難いんです。でも、好みのタイプだから結婚するかというと、まだ条件があるんです。

それから、藤沢の海(鵠沼海岸)にあって、大洗海岸にないものは、「日本人がいうヨーロッパの雰囲気」だと指摘し、こう続ける。

(ロマンチックとは、ヨーロッパの雰囲気です。日本人女性の恋愛感の底に、ロマンチックな風景というものが必ずあって、そういう一種のブランド性がないと、恋愛は成立しないんです。
脱亜入欧』の国策価値観が完成されたとき、それは女性のブランド志向になったのです。東京の女性が世田谷区に住みたがるのも、ブランド志向があるからです。

そして、「世田谷区に住むと、女性は結婚できなくなるという法則」に話を持っていく。

結婚の条件

結婚の条件


山形浩生「相撲の八百長と経済学のフロンティアの関係とは」
レヴィットの本、いつ出るのかな。