その2.江藤淳

江藤淳『全文芸時評』(新潮社、函入り全2巻)、5年ぐらい前に、2000円で買った*1。『犬と私』など、江藤の自死前後に刊行された本、一時期、よく「ブ」でみかけた。出版社名を見る限り*2、在庫整理で「ブ」とかに流したとは考えにくい。ということは、一時期、そういうふうに売れ、そういうふうに消費されてしまったのだろうか……と思うと、哀しい。

*1:その本屋は、街の古本屋の鏡のような店で、本好き読書好き受けする本は「たとえ、いい本であっても、その手の本を買うお客さんは限られているので、安くしています」という。いいお店だから教えない(そういうお店は、やはり自分の足で見つけなければ……と思うので)。ただ、ひとつだけヒントを。岡崎武志さんの『気まぐれ古書店紀行』にも、取り上げてられている。

*2:そういえば、塩山芳明さんが『東京の暴れん坊』「奇書発掘」の「田中康夫『ファディッシュ考現学'90』で書かれていたように、太田出版幻冬舎、明日香新車、朝日新聞、毎日、読売の本が「消えると、B・Oの棚はスカスカだ」。一時期、田中康夫『ぼくたちの時代』『ぼくたちの時代2』(太田出版)や『ファディッシュ考現学』シリーズ(朝日新聞社)よく見かけたものなぁ。そういや、『東京の暴れん坊』、造本があまりよくないせいか、人名索引5〜8ページが、とれてしまった(サイン本なのに…。もう1冊買え!ってことかしら)。北村太郎『光が射してくる』もそう。造本にも、ちょっとだけ金かけてほしいぜ(と思いつつも、中身が中身なので、仕方がないかもと思い直す)