草思社の件について思ったこと

草思社の件で、まず思ったのは、こういう「これから出る本」が出なくなることだった。

『文学的なジャーナル――Journal Imagined』岡崎祥久 著●ISBN978-4-7942-1669-4●四六判●224頁●定価1890円(本体1800円)●刊行予定日2008年1月下旬
『人生は愉快だ』池田晶子 著●ISBN978-4-7942-1671-7●四六判●256頁●予価1470円(本体1400円)●刊行予定日2008年1月下旬
『日本の情報戦(仮)』塚本勝一 著●ISBN978-4-7942-1672-4●四六判●256頁●予価1890円(本体1800円)●刊行予定日2008年1月下旬
徳大寺有恒のそれでいいのか!?クルマ選び(仮)』徳大寺有恒 著●ISBN978-4-7942-1673-1●四六判●240頁●予価1470円(本体1400円)●刊行予定日2008年1月下旬

このうち、2冊は立ち読みしなくても買っただろう*1
「空想書店 書肆紅屋」さん経由で、「出版業界もはや危険水域 草思社だけでない『倒産予備軍』」を読む。


個人的には、私は草思社が出していた或るシリーズ*2を愛読していた。それに、数ヶ月前に保坂和志『「三十歳まで生きるな」と思っていた』も買ったし、片岡嘉男『映画の中の昭和30年代』も気になっていた*3
いまのところ、草思社がああなった要因について、あまり語られていない(アパレルとか不動産業など、他の分野に手を出して失敗したという話も、ちらほら)けれども、「自転車操業で出版業界に出口はなく、ダメな業界になってしまった」というコメントには、違和感を覚える。旭日新聞東京版の「dankaiパンチ」報道に対するものと似たような違和感。
  

*1:発売のタイミングから考えて、もう校了していたはずだ。印刷製本は、どうなったのだろう? 既に印刷してしまっているなら、出して欲しい

*2:これも、中野翠の「サンデー毎日」連載をまとめたコラム集のように毎年愛読していたもののひとつ。

*3:『世田谷一家……』は買っても読んでもいない