愛書日記*1

閉店15分前の紀伊国屋書店新宿南店3階には、慌しい人で溢れていた。この店、夜8時閉店(ビルの都合なのだろう、仕方がない)で、その15分前くらいからアナウンスが繰り返し流される。出てけといわんばかりだ。まぁでも、この本屋が一番しっくりくる気がする。棚の配置がゆったりしているから、立ち読みしやすいし、じっくり棚を眺めやすい。
焦っているせいか、こういうときに限って探している雑誌が見つからない。
とりあえず「週刊現代」をチェック。やはり自分の文章が載っていると、ちょっと恥ずかしい。


塩山芳明『東京の暴れん坊』を読み、連載が気になった「キネマ旬報」。きょう発売日にもかかわらず、2冊しか置いていない(印刷部数を減らしているのだろうか)。しかも、表紙じゃなくて、背しか見えないので、なかなか見つけられなかった。映画雑誌といえば、「キネマ旬報」じゃん。いまじゃ単なるファンジン*1だけど、やはり「キネ旬」は映画雑誌の基本中の基本。それがこういうふうな扱いだとは。
それから「諸君!」を手にとる。毎月1日に発売される「正論」「現代」「論座」「諸君!」、この中から毎月1、2誌を買うことにしている。一時期「論座」が面白いかなと思ったけれど、この数ヶ月「諸君!」ばっかり買っている(「正論」を買ったことは、ほとんどない)。
今月号から、竹内洋の「革新幻想の戦後史」という連載が始まったので。それだけじゃない、佐藤優「保守再建」という連載、特集「新聞騒乱」*2も気になるところ。そうそう、朝日新聞といえば、『カラシニコフ』の松本仁一による「国を壊す ジンバブエの場合」は、久しぶりに読むのが愉しみな新聞連載。
愛読していた、池谷伊佐夫「古本蟲がゆく」という連載が最終回というのはさびしい。「床の上に本を積み始めるとどんどん増殖する」「ほんの価値を値段よりスペースで判断するようになる」と、読書家には身に覚えのある指摘がいくつか。今月号の「諸君!」は買って損なし。
それから、「テーミス」を探したのだが、見つからない。1日発売で、まだ売り切れたわけじゃないとは思うのだが……。
急いで、角田光代『八日目の蝉』(中央公論新社)。「ダ・ヴィンチ」で、爆笑問題太田光が「ここ数年読んだ本のなかで一番というくらいに面白かった」と書いていたので。
購入後、2階に下りて、『これ食べ!』。菅洋志の写真もいいし、勝谷誠彦の文章(声に出して読みたいくらいリズムのある文章)もいい。やはりメシは1500円以下でうまいものを食いたい。本も手ごろな価格で楽しめるのが一番いい。

*1:って、この言葉、誰も使っていないですね。一時期の「月刊カドカワ」や音楽雑誌、映画雑誌、芸能雑誌に対してて「(あるアイドルや芸能人、ミュージシャンなどの)ファンのための雑誌」を揶揄するときに使われていた言葉――だった

*2:上杉隆朝日新聞、敗れたり」、佐野眞一と河内孝の対談「『朝・読・日経連合』はマスコミ一極支配を狙う」、松原隆一郎東谷暁吉崎達彦の座談「経済オピニオン記事 あてにする馬鹿、読まぬバカ」、柴山哲也「官僚主義にまみれた巨大新聞社を“民営化”せよ」