本やタウン書籍近刊情報から 文芸編

『80年版 岩波文庫解説総目録 1927〜2006』岩波文庫編集部編 岩波書店 9月20日 税込価格:4,200円 ISBN:9784000244374
創刊以来80年、古今東西の古典的名著を刊行し続けてきた岩波文庫の全書目を収録した解説付き総目録。新版。

『完訳 ティラン・ロ・ブランジュ』アノット・マルトゥレイ 岩波書店 9月27日 税込価格:16,800円 ISBN:9784000240246
セルバンテスが『ドン・キホーテ』の中で、「世界一の本」と絶讃する、騎士道小説の最高傑作。本邦初訳。

『戦後腹ぺこ時代のシャッター音 岩波写真文庫再発見』赤瀬川原平 岩波書店 9月27日税込価格:1,680円 ISBN:9784000236713
1950年代に刊行されたテーマ別写真集、岩波写真文庫をひもとき、当時の感性を鮮やかに描き出す。

『祖国より一人の友を』海老坂武 岩波書店 9月7日 税込価格:3,150円 ISBN:9784000237161
著者が「漂流」の末に辿り着いた原点は、8・15であり「愛国」のむなしさだった。自伝3部作、完結篇。

『晩年のスタイル』エドワード・W・サイード 岩波書店 9月27日 税込価格:2,310円ISBN:9784000244411
円熟に背を向け、社会と衝突してなお生きようとする芸術家の晩年の形象に、「追放された者」の希望を見出す。

『魔法の種V・S・ナイポール著/斎藤兆史訳 岩波書店 9月7日 税込価格:3,045円 ISBN:9784000248037
人生の「魔法の種」を求める精神の流浪に終着の地は果たしてあるのか。ノーベル賞作家が放つ最新作。

『遊歩のグラフィスム』平出隆 岩波書店 9月12日 税込価格:3,570円 ISBN:9784000254021
「遊歩」をキーワードにして、詩学以前の渾沌状態の思考のありようを犀利な知性で分析する瞠目の藝術論。

『惑星の思考 〈9.11〉以後を生きる』宮内勝典 岩波書店 9月5日 税込価格:2,730円ISBN:9784000257626
9・11事件以後の状況に真摯に向き合い、21世紀の新しい世界像を問う、6年間の作家の思考の記録。

『始まりの言葉』古井由吉 岩波書店 9月7日 税込価格:1,155円 ISBN:9784000280846
1人の作家による渾身の「現代の肖像」。20世紀の命運に眼を凝らし、言葉の人として明日を占う。

この、岩波の充実っぷりに、驚愕。

『世界の終わりの終わり』佐藤友哉 角川グループパブリッシング 9月25日 税込価格:1,575円 ISBN:9784048737944
妹が死んでから、街を取り囲む線路から出られなくなった僕の蹉跌と再生の物語。三島賞を受賞した若き才能が、若者の葛藤と光を生々しく描く。

『だいにっほん、ろんちくおげれつ記』笙野頼子 講談社 9月6日 税込価格:1,680円ISBN:9784062139434
孤高の作家笙野頼子の戦いは今日も続く。ロリコン、体制評論家との戦いを強烈なイメージで近未来物語として描出。前作よりグレードアップして第2段発射。

蜘蛛の糸は必ず切れる』諸星大二郎 講談社 9月10日 税込価格:1,680円 ISBN:9784062140607
妖怪ハンター」「マッドメン」など、独特の作品世界をもつあの諸星大二郎の小説集。「船を待つ」「同窓会の夜」など、諸星ワールドを堪能できる4編収録。

『二週間の休暇』フジモトマサル 講談社 9月14日 税込価格:1,470円ISBN:9784062140652
ていねいな生活を好む女性、日菜子がある日を境に鳥世界に迷い込む。なぜ、鳥世界に。愉快な鳥たちと日菜子がおくる、穏やかでちょっと不思議な物語。

『警官の血(上)』佐々木譲 新潮社 9月27日 税込価格:1,680円 ISBN:9784104555055
制服の誇り、殉職の美談、隠蔽された真実。戦後闇市から全共闘、そして現代まで、警察官三代の人生と時代の翳を描ききる警察小説の最高峰。『下巻』同時刊。

借金取りの王子垣根涼介 新潮社 9月21日 税込価格:1,575円 ISBN:9784104750023
昨日はデパートで面接、明日は生保へ乗り込む。リストラ請負人・村上真介がいよいよ会社へ登場。恋と仕事の傑作エンタテインメント第2弾。

『冠・婚・葬・祭』中島京子 筑摩書房 9月10日 税込価格:未定円 ISBN:9784480804105
成人、結婚、葬儀、お盆。当り前の儀式が当り前じゃなくなった今だから、改めて浮かび上がる人生の意味。現在を切り取る4つの物語。

森茉莉かぶれ』早川茉莉 筑摩書房 9月25日 税込価格:未定円 ISBN:9784480823618
森茉莉の足跡をたどり、息遣いを肌で感じ、昂じた気持ちが1週間に1通の手紙になった。森茉莉的世界を髣髴する48通の濃密な空間。

荒地の恋ねじめ正一 文藝春秋 9月下旬 税込価格:1,800円 ISBN:9784163263502
53歳の男が親友の妻と恋に落ちた時、彼らの地獄は始まった。北村太郎田村隆一鮎川信夫。宿命で結ばれた詩人たちを描く長篇小説。

『日本幻想文学史』須永朝彦 平凡社 9月10日 税込価格:1,470円 ISBN:9784582766202
明治十年代に新造された「幻想」。いまや一分野をなすまでに定着したこの幻想文学の系譜を通史仕立てに概観した最良の文学カタログ。

『韋駄天夫人』白洲正子 平凡社 9月10日 税込価格:1,050円 ISBN:9784582766219
「韋駄天お正」と異名をとった白洲正子の待望の一書。本書には青山二郎に学んで骨董修業をしている時代の新鮮な息遣いが生きている。

『江戸俳諧歳時記(下)』加藤郁乎 平凡社9月10日 税込価格:1,680円 ISBN:9784582766226
江戸資料・文献中より、江戸前の名俳諧六千余句を精選、歳時記に分類構成した名著。大江戸八百八町の事物百般の案内としても好適。