本やタウン書籍近刊情報から

●文芸

『海に落とした名前』多和田葉子
新潮社 11月30日 1,575円
記憶がない。自分の名前がみつからない。カフェ、本屋、ロシア式サウナ。手がかりは、ポケットの中のレシートだけ。眩暈と笑いが渦巻く最新短篇集。

『死顔』吉村昭
新潮社 11月22日 1,365円
延命治療を拒んで死を迎えること、それは自然死であることに変わりはない。生と死を凝視した作家が、遺書のように残した小説。

東京番外地森達也
新潮社 11月17日 1,470円
僕はそこに行く、その場所に東京の“いま”が佇んでいるから。猥雑な現場、忘れられた空間を映像作家が辿る、私的ドキュメント。

宇野千代 女の一生宇野千代著/小林庸浩ほか著
新潮社 11月24日 1,470円
結婚3回、引越し20回、「泥棒と人殺しのほかは何でもした」。夢中で人生に恋した女の生き方に学ぶ。

新潮、ここ最近ラインナップが充実しすぎじゃない?

澁澤龍彦の古寺巡礼』澁澤龍彦/内藤憲吾
平凡社 11月下旬 1,680円
十一面観音、東大寺お水取り、浦嶋神社の玉手箱、若冲宗達の絵、吉信長の安土城。京都、奈良、琵琶湖周辺の澁澤好みの古寺巡り。

平凡社、こういう「太陽」系の本は上手い。


●新書

『人権と国家 世界の本質をめぐる考察』スラヴォイ・ジジェク著/岡崎玲子
集英社 11月17日 756円
ジジェクの故郷スロヴェニアで敢行した岡崎玲子によるオリジナル・ロングインタビューと論文で構成する話題作。

ジジェクが新書で読めるなんて、ちょっとした驚き。

●辞典

『勘違いことばの辞典』西谷裕子編
東京堂出版 11月上旬 1,890円
自分で気づくのがなかなか難しい言葉遣いの間違い例を取り上げ、なぜ間違えるのか、正しい用例をあげながら解説。

東京堂出版って、ヘンな辞典つくるのが上手い。

『日本語学研究事典』飛田良文ほか編
明治書院 12月8日 29,400円
■日本語のさまざまな疑問に答える便利な1冊本事典。「事項編」「資料編」からなり、項目数1,500。「メール言語」「手話」なども網羅。

メール言語って何だ?

●社会

ユニクロVSしまむら 専門店2大巨頭 圧勝の方程式』月泉博
日本経済新聞社 11月17日 1,575円
■圧倒的な勝ち組のユニクロしまむらはどこまで強いか。徹底取材をもとに、対極的な経営スタイル、成長戦略を比較。

いつユクニロが「圧倒的な勝ち組」になったんですか?

『「サラ金」を踏み倒せ』中川量博
ベストブック 1,260円
サラ金業界の裏のウラまで知り尽くした元武富士・法務課長が、合法的に借金をチャラにする具体的な借金解決法を初めて明かす。

武富士を退社する方法の方が、気になります。

『大正モダンから戦後まで』加藤秀俊著/尾崎秀樹ほか著
世界文化社 11月10日 2,520円
■豪華執筆陣による歴史読み物。本文に読みやすい大きな活字を使用し、豊富な写真と図版を駆使し、日本の歴史をドラマチックに。

ドラマチックさいらないから。

●スポーツ

『サッカー選手なら知っておきたい「からだ」のこと』河端隆志/中村泰介ほか著
大修館書店 11月中旬 1,575円
中田英寿や小笠原など一流サッカー選手の写真をふんだんに使って、サッカー選手なら知っておきたい体の動きやフィジカル面を解説。

いいんですか、「一流サッカー選手の写真をふんだんに使って」?

『データ版 日本サッカー史 代表編 日本代表の89年 (仮)』後藤健生
双葉社 11月14日 1,890円
■2002年版で巻末にまとめた「日本代表国際Aマッチ全試合記録」を徹底的にブラッシュアップし、1冊に収録したファン待望の1冊。『テキスト版』11月17日刊。

『メイヨークリニック 健康医学大事典』メイヨークリニック編著
法研 11月中旬 5,985円
■全米屈指の医療機関が責任編集した家庭医学書の決定版。一般の方から医療従事者まで、広く活用しやすく工夫。3か月延勘。

「3ヶ月延勘」ってなに?

樋口可南子のものものがたり』清野恵里子著/小泉佳春撮影
集英社 11月2日 2,835円
■京都好きが嵩じて、ついに数寄屋造りの家を京都に建ててしまった。京都とその周辺に、美しい、美味しい「もの」たちを訪ねる。

樋口可南子さん、あなたもこういう商売始めましたか

新宿の母九星占い』栗原すみ子
説話社 11月18日 1,260円
■50年の鑑定歴から生まれた幸運のつかみ方・育て方をテーマごとにアドバイス。よりよい人生を過ごすための母からの熱いメッセージ。

なるほど、新宿の母の占いは、「占い」じゃなくて、「熱いメッセージ」だったのか