「岩波書店の新刊 2006年4月」より。

柄谷行人『世界共和国へ――資本=ネーション=国家を超えて』
■現在の世界を覆う「資本=ネーション=国家」という接合体。この構造を交換様式から解明し、それを超える方法を「世界共和国」への道として探っていく。理念も想像力も失われた時代に、大胆に提示する二十一世紀の社会構想。

今度は「世界共和国」ですか、またまた大きく出ましたな。

末木文美士『日本宗教史』
記紀神話から現代新宗教の出現に至るまでを、精神の〈古層〉が形成され、「発見」されるダイナミックな過程としてとらえる。神と仏の相互関係を軸に、世俗倫理、国家権力の動向を視野に入れた、大胆な通史の試み。

新書で、「通史」とは、たしかに大胆だ。

斎藤美奈子『冠婚葬祭のひみつ』
■しきたり、伝統、正式、常識――これらにそもそも根拠はあるのか? 「届けを出さない結婚のやり方」から「お金のかからぬ葬儀の秘訣」まで、「少婚多死」時代にふさわしい新しい関係性と儀礼のカタチを具体的に提案する。

「岩波アクティブ新書」用に準備していたものじゃないかな。

見田宗介社会学入門――人間と社会の未来』
■「人間のつくる社会は、千年という単位の、巨きな曲り角にさしかかっている」。転換の時代にあって、現代の絶望と希望を見すえつつ、いかに〈未来〉を構想してゆくか。初学者への講義として社会学の〈魂〉を語る、必読の一冊。

見田宗介だから大丈夫だとは思うが、「<魂>を語る」って言われてもなぁ。「<本質>」にしてくれ。

久保田麻琴『世界の音を訪ねる――音の錬金術師の旅日記』
■いま、世界で一番ホットな音楽の現場はどこなのか。偶然の出会いが重なって生まれる音とは? 第一線で新しい音楽を精力的に探求し続けるワールド・ミュージック界の仕掛け人が、音楽誕生の源をたどる。付録CD付き!

CDついて、定価987円! 内容も定価設定も、ぜんぜん岩波っぽくないよ。