小説読まずの小説雑誌好き

いわゆる中間小説誌が好きだ。
エッセイや対談、コラムが結構面白いからである(たとえば、「小説すばる」には石田千浅生ハルミン森巣博、『ワセダ三畳青春記』の高野秀行がエッセイを連載している。ほら、結構面白そうでしょ?)。

「小説新潮」8月号

特集 鉄道と旅の楽しみ
 ――夏休み特別企画 地下鉄全線乗車から愛知万博まで
 緊急対談「鉄道はどこへ向かうのか」原武史×川島令三
 酒井順子「メトロな女」東京の地下鉄完乗16時間22分
 恩田陸阿蘇酒池肉林」九州飲み尽くし食い倒れ紀行
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 櫻井寛「宮脇俊三 至言名言紀行」一挙公開、海外取材の思い出
 今尾恵介「地図で旅する 世界の果ての駅」世界最北端の駅名は?
 高橋洋二愛知万博非公式ガイド」これで万全、一読即ち万博通

小説新潮」、現在同社が刊行している雑誌「旅」以上に「旅」っぽい。 
内田百輭阿川弘之宮脇俊三など鉄道文学好きの私にとって、これは読み逃せない。

「オール読物」8月号

直木賞創設七〇周年記念座談会
 村松友視×久世光彦×植村鞆音直木三十五と文士の時代」

直木三十五伝植村鞆音直木三十五伝』は、帯のコピー「小心にして傲岸、寡黙にして雄弁、稀代の浪費家で借金王、女好きのプランメイカー」をみて、ぜひ読みたいと思っていたところ。こちらを買う(読む)前に、「オール読物」でちょっと予習しておこう。

グラビアエッセイ連動企画  「江戸前」で遊ぶ
 三田完 屋形船に芸者を呼ぶ
 北村薫 落語「王子の狐」を旅する
 山本音也 東京湾穴子を釣り、食す
 山本一力 盛夏だ、祭りだ!
 常盤新平 本物の江戸前鮨は浦安にあり
 勝見洋一 築地の場内深く潜入す
 団鬼六 三崎のマグロと漁師酒場

こちらは、常盤新平団鬼六のエッセイが気になる。

「小説すばる」8月号

笑/落語ブームに便乗!
 ≪激突座談会!≫夢枕 獏×SWA5人衆!
 ≪すばる寄席≫席亭/夢枕 獏  出演/SWA
 ≪スペシャル落語ミステリー短編≫田中啓文:蛇含草【笑酔亭梅寿謎解噺(一)】

蹴りたい田中 (ハヤカワ文庫 JA)

蹴りたい田中 (ハヤカワ文庫 JA)

あの田中啓文の落語ミステリー短編は、読んでみたい。

「小説現代」8月号

大道珠貴「東京居酒屋探訪」
出久根達郎「作家の値段」

「婦人公論」8月7日号
 「婦人公論」連載陣には、婦人公論らしくない人が結構いる。

酒井順子 「消費な日々」
鹿島 茂 「女のニュース男のニュース」
工藤美代子「快楽(けらく)」
渡辺淳一 「男の錯覚 女の幻想 」
角田光代 「夜をゆく飛行機」
山本一力 「菜種晴れ」
町田 康 「東京飄然 「パラダイス・アホンダラ・ルンルン」
田辺聖子 「ひよこのひとりごと」
しりあがり寿ゲバラちえ子の革命的日常」
村松友視 「蓋棺録」

田辺聖子はともかく、この連載陣って読者ターゲットにみあっているのだろうか、謎だ。
また、今号で気になるのは、

緊急寄稿・二子山部屋に密着した大宅賞作家が綴る〉
 小林照幸「花田家の栄光と挫折  スキャンダルではなく本当のことを言おう」

対談・乙武洋匡「一流の極意を探る」  ゲスト= YOSHIKI
「親友の死を乗り越えたとき 生きる使命が見えた」

斎藤美奈子に「政治家になるのでは?」と指摘されていた乙武洋匡の対談(タイトルが「一流の極意を探る」だなんて...)、しかもゲストがあのⅩJAPANのYOSHIKIときたら...。これは読まねば