TBSラジオ「ストリーム」

きょうの「コラムの花道」は、あの豊崎由美さん(午後6時以降から「ストリーム」のホームページで聞けるようだ)。豊崎さんはホメ書評よりも、ケナシ書評の方が面白い。フジかテレビ朝日、日テレあたりで豊崎社長による滅多切り番組、深夜でやってくれないだろうか
文学賞メッタ斬り!

芥川賞について……
 中村文則作品はタイトルそのまんま、古くさいベタな設定、文章もセンスを感じない、つまり「のびしろ」がない(のびる余地がない――「のびしろ」という言葉、初めて知った。業界用語なのかな)……、今回の受賞は、選考会の司会を務める「文藝春秋」の編集長が土下座し(て受賞させ)たんじゃないか、と豊崎さんは推測している。

 豊崎さんは、今回の候補作の中で受賞させるとしたら、樋口直哉「さよなら アメリカ」しかないという。樋口作品は、阿部公房「箱男」のような、袋を被って生活している青年の話で、小説の技巧も使われているし、「のびしろ」がある、という。

直木賞については…
 直木賞は「全部いい」のだけれど、古川日出男『ベルカ、吠えないのか?』にあげなきゃいけなかった、選考会会場である料亭の横に宣伝カーで乗りつけて「最後のお願いに参りました、ベルカ、ベルカ、ベルカに清き一票を」とやりたかった、とまで絶賛。

「信頼できる筋によると」と前置きし、あの渡辺釤愛の流刑地”淳一センセイが、古川作品にダメ出ししたらしい。うむ...

 そして、豊崎さんは、「慎ちゃん輝ちゃん」こと、石原慎太郎宮本輝は新しいもの、前衛が読めない(坪内祐三福田和也宮本輝をそう評していた)…などなど選考委員をメッタ斬り。