「諸君!」2005年8月号

稲葉振一郎「何故しぶとく生き延びるのか ゴキブリとマルクス

重要なファクターがある――現在のグローバリゼーション論者は、かつて古典派経済学を学び、それを自家薬籠中のものとしていたマルクスとは違い、今日のグローバル経済を分析するための社会学的な道具立てを持っていない、ということだ。

「世界」や「論座」をはじめとして(どちらかといえば)左翼的な雑誌は、なぜ、こういう真っ当な、いまどきのマルクス主義批判を掲載しないのだろう? まぁ理由はなんとなくわかるけれども