気になる本 人文書

『なぜ、すべてがすでに消滅しなかったのか』ジャン・ボードリヤール著/塚原 史訳 筑摩書房12月10日税込価格:2,625円ISBN:9784480863980
記号と幻想の中で、オリジナルな価値は食い尽され、人間は「消滅」する。ボードリヤールが最晩年に執筆した、現代文明への遺言。

『忘却の整理学」外山滋比古 筑摩書房12月10日税込価格:1,260円ISBN:9784480842909
忘れることが必要。創造・思考の手助けをする「忘却」をめぐる刺激的なエッセイ。『思考の整理学』の姉妹編。

『労働を見直す(仮)」立岩真也 青土社12月中旬税込価格:2,310円ISBN:9784791765256
ワークシェアベーシックインカムについての丹念かつ冷静な思考が労働論に新たな展開をもたらす。

『ロラン・バルト 喪の日記』R・バルト著/石川美子みすず書房12月下旬税込価格:3,360円ISBN:9784622075028
母の死の翌日から切々と書き続けられた苦悩の日記。深層が綴られ、最愛の人への「喪の作業」の記録、また文学として価値高い作品。

『人種主義の歴史」ジョージ・M・フレドリクソン著/李孝徳訳 みすず書房12月中旬税込価格:3,570円ISBN:9784622075073
人種主義の起源から発展、現状までを包括的に描き、全体像と本質を明確にし今後を考察する。人種問題を考える手がかりとしての必読書。

『留まれ、アテネ』J・デリダ著/矢橋透訳 みすず書房12月上旬税込価格:3,570円ISBN:9784622074960
写真論とアテネの都市論、そして死をめぐるデリダ独特の思想が切り結ぶスリリングな本。フランス現代思想が生んだ写真論の傑作。

春の祭典 新版 第一次世界大戦とモダン・エイジの誕生」M・エクスタインズ著/金利光訳 みすず書房12月上旬税込価格:8,975円ISBN:9784622075035
大戦下での兵士の実像と、パリでの「春の祭典」熱狂的初演から戦後の絶望、ヒトラーナチス崩壊。近代欧州の深層を描く衝撃の文化史。

『資本主義の妖怪 金融危機と景気後退の政治学』A・ギャンブル著/小笠原欣幸訳 みすず書房12月1日税込価格:2,940円ISBN:9784622075066
昨秋の金融破綻に始まる世界的金融危機を、70年以降の歴史的脈絡で捉え、各国の役割など経済と政治の両面で見据え分析、類まれな書。