気になる人文書、学術書

『おたくの起源』吉本たいまつ NTT出版2月9日税込価格:1,680円ISBN:9784757142091
趣味・嗜好を表す言葉から、文化をも規定する時代の言葉となった「おたく」。‘70年代のその萌芽を振返り、現代文化の根源を示す。

吉本たいまつっていうペンネームが、ちょっと……。

『外国人から見た近世日本人』竹内誠監修/(財)上広倫理財団編 角川グループパブリッシング2月10日税込価格:2,940円ISBN:9784046216427
16世紀から19世紀に日本を訪れた欧米を中心とする外国人は、多くの記録を残していた。そこから立ち現れてくる日本と日本人、生活文化の諸様相を知る。

『日本原住民と被差別部落』菊池山哉考古民俗学傑作選菊池山哉著/前田速夫編 河出書房新社2月13日税込価格:2,520円ISBN:9784309224985
直観力とフィールド調査で、被差別部落研究に圧倒的な足跡を残した在野の碩学の、日本人の起源を探る、壮大な構想の精髄。前田速夫編。

『図説 帝政ロシア 光と闇の200年』土肥恒之 河出書房新社2月13日税込価格:1,890円ISBN:9784309761244
ヨーロッパとアジアの狭間で、ロシア帝国として、領土を拡大し続けた歴代の皇帝たち。200年にわたる帝政ロシアの光と闇をえぐる。

『ヨーガの思想』山下博司 講談社2月10日税込価格:1,680円ISBN:9784062584326
インドに発したヨーガの起源、歴史、その背景にある思想と哲学、および現代のグローバル化による変質を、インド思想史の専門家の立場からわかりやすく解説する。

『幕末の将軍』久住真也 講談社2月10日税込価格:1,680円ISBN:9784062584333
権威の将軍から国事の将軍へ。家斉に絶頂を見た将軍・幕府の権威権力がほころびゆく中、彼らはいかに闘ったのか。幕末政治の新たな枠組みを示す、画期的論考。

『江戸の数学教科書』桜井進 集英社2月26日税込価格:1,365円ISBN:9784797671872
江戸時代、庶民から大名までが芸術や娯楽のような感覚で数学を楽しむ一方、和算家たちの業績は世界的レベルにあった。

『あの人の食器棚』伊藤まさこ 新潮社2月25日税込価格:1,575円ISBN:9784103138716
その人の暮らしがいちばん見える場所、食器棚。きちんと、おおらか、渋いの新しいの、個性豊かな19の台所に興味津々。うつわも映える絶品レシピ付き。

『怯えの時代』内山節 新潮社2月20日税込価格:1,050円ISBN:9784106036293
これほど人間が無力の時代はなかった。個人、国家、地球、それぞれのレベルで解決策がないことに気付き始めている。気鋭の哲学者が「崩れゆく時代」を看破する。

『やってくれるね、ロシア人! 不思議ワールドとのつきあい方』亀山哲郎 NHK出版2月17日税込価格:1,365円ISBN:9784140350836
NHK「ラジオロシア語講座」連載エッセー。超個性的な人々とのドタバタ・人情話を描く。「ロシア人ってこんなに面白かったんだ!」。

『ロレンツォ・デ・メディチ暗殺 中世イタリア史を覆す「モンテフェルトロの陰謀」』マルチェロ・シモネッタ著/熊井ひろ美訳 早川書房2月下旬税込価格:2,940円ISBN:9784152090065
フィレンツェメディチ家全盛期の当主が襲撃された「パッツィ家の陰謀」。ルネサンス最大の事件の真相と真の勢力図が明らかに。

『「官僚」への最後通牒(仮)』高橋洋一著/長谷川幸洋著 PHP研究所2月25日税込価格:1,470円ISBN:9784569705521
小泉・竹中改革において官僚との死闘を繰り広げた2人が現在の政治経済の行方、そして官僚支配体制に裏話・秘話を交えながら物申す。

『東洋学事始 那珂通世とその時代』窪寺紘一 平凡社2月25日税込価格:3,360円ISBN:9784582834260
日本の東洋史学の創始者・那珂通世の足跡を縦糸に、彼と同時代の東洋学第一世代の人々の活動をも調べ抜いてまとめた貴重な労作。

マルクスと批判者群像』良知力 平凡社2月10日税込価格:1,575円ISBN:9784582766622
1840年代後半、ワイトリング、ヘスなどとの相互批判のなかにいた若きマルクスの等身大の姿から、その思想の本体と可能性を探る。

『東京 消えた街角』加藤嶺夫写真 河出書房新社2月13日税込価格:2,940円ISBN:9784309270845
オリンピック後東京の街は激変した。30年間撮り続けた、2度と見られないちょっと前の東京23区の貴重な記録写真集。待望の新装版。

『家畜の文化』秋篠宮文仁編著/林良博編著 岩波書店2月26日税込価格:3,045円ISBN:9784000271080
家畜の歴史と文化を読み解き、民族文化や宗教、そして世界経済や政治との関わりを探究する。

秋篠宮が「家畜」の本を岩波から! 某週刊誌の「リレー読書日記」執筆陣の誰かに評してほしい。

『アップルパイ神話の時代 アメリカ モダンな主婦の誕生』原克 岩波書店2月26日税込価格:3,045円ISBN:9784000220491
20世紀前半、米国の女性雑誌でなぜ「アップルパイを完璧に焼ける主婦」が理想とされたか。表象分析の書。

原克センセイのご著書は、表象というよりも表層のような印象

『日本古代史を学ぶ』大津透 岩波書店2月25日税込価格:2,520円ISBN:9784000242615
日本古代史学の第一人者が、いま古代史を志す者がもつべき大きな問題意識と、新鮮な古代史像を提示する。

シモーヌ・ヴェイユ』フランシーヌ・ドゥ・プレシックス・グレイ著/上野直子訳 岩波書店2月26日税込価格:2,835円ISBN:9784000267748
生誕100年。激動の時代に生き、34歳の若さで早世した異色の思想家の、等身大の姿を描き出す第一級の評伝。

『旅する人びと』関哲行 岩波書店2月24日税込価格:2,940円ISBN:9784000263269
閉鎖的で分断されているとみなされてきた中世ヨーロッパ社会を接合する契機ともなった移動を考える。

『ドイツ宗教改革』R・W・スクリブナー著/C・スコット・ディクスン著 岩波書店2月20日税込価格:2,205円ISBN:9784000272032
従来のルター中心の宗教改革像を同時代の文脈に置きなおし「脱神話化」をはかる近年の歴史研究を概観。

アメリカへの憧憬〉山本武利編/石井仁志ほか編 岩波書店2月26日税込価格:5,985円ISBN:9784000282437
日本文化のアメリカ化を通し米国の豊かさを渇望し、米国文化に迎合した日本人の心性をたどる。

『バブル・リレー 21世紀型世界恐慌をもたらしたもの〉山口義行編 岩波書店2月17日税込価格:1,785円ISBN:9784000244466
行き場を探して世界をめぐる過剰国際通貨ドルが、バブルを引き起こす。

『失われた〈20年〉』朝日新聞「変転経済」取材班編 岩波書店2月26日税込価格:1,995円ISBN:9784000222082
「その時」、社会の閉塞と経済の停滞は始まった。この20年変化を、多くの証言を通して検証する。

朝日新聞って、「ロスト」とか「失われた」話が好きだよね。

『戦争と権力 国家、軍事紛争と国際システム』ポール・ハースト著/佐々木寛訳 岩波書店2月25日税込価格:2,625円ISBN:9784000236805
歴史的にきわめて長期的な視点から21世紀の国家権力、軍事紛争、そして国際システムを包括的に展望する。

『現代シリア・レバノンの政治』構造青山弘之著/末近浩太著 岩波書店2月10日税込価格:4,620円ISBN:9784000099745
シリアとレバノンでは、いま何が起こっているのか。両国の政治的実態に迫る初の研究書。

『「英語が使える日本人」は育つのか? 小学校英語から大学英語までを検証する』大津由紀雄著/斎藤兆史ほか 岩波書店2月6日税込価格:504円ISBN:9784000094481
英語教育の早期化と、全般的な強化のゆくえは。賛否両論の議論を解きほぐし、ありうべき教育を考える。

岩波書店だから、さぞかし真面目な本でしょうね。

『学校から言論の自由がなくなる ある都立高校長の「反乱」』土肥信雄著/藤田英典ほか著 岩波書店2月6日税込価格:504円ISBN:9784000094498
このままでは教育現場が歪んでしまう。東京都教育委員会の政策に、1人の都立高校長が異議を唱えた。

『女性史・ジェンダー史』加納実紀代解説 岩波書店2月26日税込価格:2,625円ISBN:9784000281454
もろさわようこ、森崎和江、小山静子、古庄ゆき子、上野千鶴子、川田文子、藤目ゆき、鈴木裕子、宮城晴美ほか。