気になる単行本 新潮社

『ローマ亡き後の地中海世界(上)』塩野七生 24日発売/3150円
西ローマ帝国が滅んだ後、地中海の国々を震駭させたのは、イスラム教を信奉する海賊の台頭だった。「右手に剣、左手にコーラン」を掲げ拉致・略奪を繰り返す海賊たちの蛮行に、キリスト教国の人々は戦慄する。『ローマ人の物語』の続編ともいうべき待望の歴史巨編。 A5判変型/ハードカバー/352頁■978-4-10-309630-6

『仮想儀礼 上・下』篠田節子 19日発売/各1890円
すべてを失った男二人が始めた金儲けのための新興宗教。しかし、信者たちの抱える闇は、彼らの想像をはるかに超えて深く、教団は狂気に蝕まれてゆく……圧倒的密度と迫力の一八〇〇枚! 人間の弱さとたくましさを描き切る、現代の黙示録的長編サスペンス。 46判変型/ハードカバー/上472頁、下464頁上■978-4-10-313361-2、下■978-4-10-313362-9

『幕末史』半藤一利 18日発売/1890円
大ベストセラー『昭和史』の著者が、ついに幕末を語り下ろした。多くの才能が入り乱れ、国家が大転換を遂げた激動の時代を、わかりやすく紐解いた待望の書。黒船来航から西南戦争の明治十年まで、幕末の志士たちは何を成し、また成さなかったのか――。 46判/ハードカバー/480頁 ■978-4-10-313271-4

『悶々ホルモン』佐藤和歌子 19日発売/1365円
「煮込みにレバ刺し、ガツ焼き、それから熱燗一本お願いしまーす」20代にして一人焼き肉常連の女子が、美味しいモツ焼き屋を探して、昨日は立ち飲み、明日は老舗、そして今夜はどの店へ!? 禁断の大人の味へ誘うこの一冊で、あなたも今日からホルモンヌ! 46判/ソフトカバー/240頁 ■978-4-10-313231-8

『見えない音、聴こえない絵』大竹伸朗 19日発売/1890円
絵はどこで始まり、どこで終わるのだろう? 目の前にあるトーストは実は絵画ではないのか? 創作の原点たる少年期の追憶から、「全景1955―2006」展へ向けての軌跡、宇和島での現在と未来。画家の「遠景・全景・近景」を記録した待望のエッセイ集! 46判変型/ハードカバー/296頁 ■978-4-10-431002-9

白洲次郎・正子の夕餉』牧山桂子 写真・野中昭夫 19日発売/2730円
季節の食材に、献立に、食べ合わせに、そして器づかいに、うるさい夫妻もこれで黙る! 目刺し、里いもの煮ころがしから洋風おでん、すっぽん鍋まで、娘の手料理100余品と意外なエピソードで甦る、白洲家の愉しき食卓。好評『白洲次郎・正子の食卓』の姉妹版誕生! B5判変型/ハードカバー/144頁 ■978-4-10-303754-5

『調書〈復刊〉』J・M・G・ル・クレジオ豊崎光一・訳 11月28日発売/2100円
軍隊から脱走したのか、精神病院から逃げ出したのか。最初の人類の名をもつ男アダム・ポロが、動物園の牝ライオン、白ねずみ、さまざまなものとの同一化をはかりながら、奇妙な巡礼行を続ける――今年度ノーベル賞受賞作家、弱冠23歳での衝撃のデビュー作。 46判変型/クレスト表紙カバー/318頁 ■978-4-10-510615-7

『現な像』杉本博司 19日発売/2520円
「私は長い間写真に関わりながらも、未だに真の何たるかを知ることを得ない」。国際的美術家による芸術と文明を巡る十二章。美の本質とは、時間の意味とは、そして人間の存在とは何かを思索する。人類の真を写し歴史の像を現す、待望の論考集、第二弾! A5判変型/ハードカバー/192頁 ■978-4-10-478102-7

『巨人軍は非情か』清武英利 18日発売/1470円
メークレジェンドを――。常勝を宿命付けられた伝統の球団。新聞社社会部からその未知の世界に飛び込んだフロントトップが、あまりにも人間臭いベンチ裏を、持ち前の記者的好奇心で観察、時に冷徹に時に情熱的に綴る。秘話満載の二年間の記録。 46判/ハードカバー/256頁■978-4-10-313311-7

新潮文庫 12月末日発売
◆『だましだまし人生を生きよう』池田清彦一見過激だが読むと納得の哲学で、読者を魅了する生物学者池田清彦。その独特の人生観はどこから生れたのか? 東京下町に生れ昆虫に熱中した少年時代、
友人との虫採りに明け暮れた学生時代、貧しかった新婚生活、谷から転落する大事故、そして構造主義生物学との出会い。どんな困難が訪れても常に前向き、生きることを全力で楽しむ池田印100%の豪快な自伝。『生物学者』改題。http://www.shinchosha.co.jp/book/103524/ ■978-4-10-103524-6 420円
◆『押入れのちよ』荻原浩
失業中のサラリーマン・恵太が引っ越したのは、家賃3万3千円の超お得な格安アパート。しかし一日目の夜、当然のごとく玄関脇の押入れから「出た」のは、自称明治39年丙午生れの14歳、推定身長130cm後半の、かわいらしい女の子だった……(表題作「押入れのちよ」)。ままならない世の中で、必死に生きざるをえない人間の可笑しみや哀しみを見事に描いた、全9編からなる傑作短編集。http://www.shinchosha.co.jp/book/123034/■978-4-10-123034-4 580円
◆『北の人名録』倉本聰
東京での仕事から撤退し、辿り着いた先は北海道の富良野。大地は清冽、人間は鮮烈。好奇心旺盛、モノにこだわらず、バカ騒ぎ大好き、その上限度を知らない。富良野に棲息する、そんな男たちへの驚嘆が圧倒的な感動へと変わる時、永遠の名作ドラマ「北の国から」が生まれた――。名脚本家が綴った人間讃歌エッセイには、北の大地を揺るがす熱気が満ちる。文庫版では新章「あのあと」を収録。http://www.shinchosha.co.jp/book/136551/ ■978-4-10-136551-0 500円
◆『インドの時代―豊かさと苦悩の幕開け―』中島岳志
経済的な躍進を続け、日本人の注目を集める、“21世紀の大国”インド。だが、その実情を知る者は少ない。消費文化の進展。健康ブーム。精神世界に癒しを求める都市生活者。そして、台頭するヒンドゥーナショナリズム。現地をフィールドとする研究者が、格差と分断の現代史をふり返りながら、知られざる国家の
現状とその深奥に迫ってゆく。あなたの知らないインドが、ここにある。
ttp://www.shinchosha.co.jp/book/136571/ ■978-4-10-136571-8 460円
◆『天ぷらにソースをかけますか?―ニッポン食文化の境界線―』野瀬泰申
あなたは天ぷらにソースをかけますか? 赤飯に甘納豆を入れますか? 「天かす」と呼びますか、「揚げ玉」ですか? お肉と言えばなんの肉ですか?――ネットで集めた厖大な情報分析は、驚きと発見の連続。実際に歩いて実証した東海道食文化の境界リポート付き。ちなみに和歌山県では80%以上がソース派、東京は10人に1人です。ニッポンは意外と広い! 『全日本「食の方言」地図』改題。http://www.shinchosha.co.jp/book/136651/■978-4-10-136651-7 620円
◆『アップルの人』宮沢章夫 
デジタル社会は謎と笑いに満ちている。昼下がり、アップルの社員らしき若い男たちを尾行してみたり、サポートセンターに電話して、いつの間にか係の女性相手に「人生」を語ってしまったり……。MaciPodから秋葉原、インターネット、メールまで、デジタルとの格闘から生まれた抱腹絶倒の全49編。パソコンがわからなくても面白い、超脱力エッセイ集。『レンダリングタワー』改題。http://www.shinchosha.co.jp/book/146324/ ■978-4-10-146324-7 540円
◆『彰義隊吉村昭
皇族でありながら、戊辰戦争で朝敵となった人物がいた──上野寛永寺山主・輪王寺宮能久親王は、鳥羽伏見での敗戦後、寛永寺で謹慎する徳川慶喜の恭順の意を朝廷に伝えるために奔走する。しかし、彰義隊に守護された宮は朝敵となり、さらには会津、米沢、仙台と諸国を落ちのびる。その数奇な人生を通して描かれる江戸時代の終焉。吉村文学が描いてきた幕末史の掉尾を飾る畢生の長篇。http://www.shinchosha.co.jp/book/111750/ ■978-4-10-111750-8 740円
◆『詩の力』吉本隆明
小説作品が着飾った盛装姿だとすれば、詩は身体の骨格である……。戦後の現詩を主軸に、俳句・短歌から歌詞にまで拡がる、現代のすぐれた詩歌表現のありようを、その特徴によって類別し、読解を試みる傑作評論。自らもなお詩壇の最前線に立つ著者が、培った経験を惜しみなく注ぎ込んだ第一級の鑑賞にして、現代詩人の代表作とその意図を知るための格好の入門書である。『現代日本の詩歌』改題。 http://www.shinchosha.co.jp/book/128924/ ■978-4-10-128924-3 380円
◆『ナショナル・ストーリー・プロジェクトI』 ポール・オースター/編 柴田元幸/訳 他
「誰かがこの本を最初から最後まで読んで、一度も涙を流さず一度も声を上げて笑わないという事態は、私には想像しがたい」元はラジオ番組のためにオースターが全米から募り、精選した「普通の」人々の、ちょっと「普通でない」実話たち――。彼の小説のように不思議で、切なく、ときにほろっとさせられ、ときに笑いがこみ上げる。『トゥルー・ストーリーズ』と対になるべき180もの物語。http://www.shinchosha.co.jp/book/245111/ ■978-4-10-245111-3 620円
◆『ナショナル・ストーリー・プロジェクトII』 ポール・オースター/編 柴田元幸/訳 他
失業、戦争、身近な人の死。誰の身にも起こりえる、だが決して「普通」ではない瞬間。少女の日のできごと、戦時中の父の逸話、奇怪な夢と現実の符合。たわいもなかったり、深刻だったり、茫然とするほどの暗合に満ちていたり――無名の人々が記憶のなかに温めていた「実話」だけが持つ確かな手触りを、編者オースターが丁寧に掬いとる。無数の物語を編み上げた、胸を打つアメリカの声。http://www.shinchosha.co.jp/book/245112/ ■978-4-10-245112-0 620円
◆『悲しみよ こんにちは』フランソワーズ・サガン/著 河野万里子/訳
セシルはもうすぐ18歳。プレイボーイ肌の父レイモン、その恋人エルザと、南仏の海辺の別荘でヴァカンスを過ごすことになる。そこで大学生のシリルとの恋も芽生えるが、父のもうひとりのガールフレンドであるアンヌが合流。父が彼女との再婚に走りはじめたことを察知したセシルは、葛藤の末にある計画を思い立つ。20世紀仏文学界が生んだ少女小説聖典、半世紀を経て新訳成る。http://www.shinchosha.co.jp/book/211828/■978-4-10-211828-3 460円