新宿彷徨

まずブックファースト新宿ルミネ2店へ。この店、どんどん好きになってくる。1フロア展開の本屋で、これほどハマる店はここだけ*1。特に、マンガ、写真集など、あまり知らない分野が詳しいのがいい*2。「新潮」「文学界」などの文芸誌と「創」「TVブロス」、それに何冊か購入。
その後、紀伊国屋書店新宿本店へ。「本の雑誌」を購入。
最寄駅で一軒、それから帰宅。
郵便受けを開けると、「通販生活」が届いていた。定期購読はしていないけれど、一昨年去年、そこそこ大きな買い物をしてから、勝手に送ってくる。一年に一度かそれ以上、「通販生活」にのっているものを買いたくなる。今回で言えば、枕だな。三浦しをんの文章がまたよくて……でも、これを買っちゃうと、必要以上に寝すぎてしまうんではなかろうかと思い、躊躇。
ブログや今週買った雑誌をぱらぱらと。
『平気で嘘をつく人達』*3などを出す前までは、「良心的出版社」や「数少ない良識のある出版社」といわれていた草思社のニュースは、ちょっとショックだ*4
「週刊デーヤモンド」の座談会などを読んで、う〜ん。昭和生まれ、平成育ちだけれども……。あの『SENSOURON』については、ちょっと、何かが違う。
そりゃ当時買って読んだ*5けれども、あの本に感動は覚えなかった。そもそも私は「日本人は悪かった」なんて教育も受けていない*6ので、それに対するアンチといわれてもピンと来ない。
でも、いわゆる左翼=革新的な語り口にも、右翼=保守的な語り口にも、同調できなかった。


同世代をみていて、ちょっと不思議だった(いまも)のは、いわゆる右翼的なことを主張する人間が、「俺って、わかってるでしょ」というふうな語り口をすること*7。それって、自分の言葉でもなんでもなくて、ただ単に誰かの言葉を借りてきただけだ(しかも、その借りてきたことすら、自覚していない)。また、言うことも大したことないんだ、「旭日新聞は非現実的。やはり、読捨新聞は現実的で……」とか何とか*8
そういうインテリ気取りだけじゃなくて、いつのまにか、身近なヤンキー度の高い人間が「NIPPONはスゴイ」「右翼って、マジ(いい意味で)ヤバイ」とか自然に口にしていた。「家族や仲間は(義理人情にかけて)絶対守る」というヤンキー的な価値(?)とそういうものは、結びつきやすかったのかも、しれない。そういう象徴?としてクボヅカ*9が論じられたり評されたりした。


でも、何か違うんだよなぁ。それは、ノンポリだからかもしれないけれどさ。ヘソまがりだからかもしれないけどさ。
そういうスタンスの人間にとって、信頼できる(できそうな)言葉を綴っていたのが、自身の喪失感を描いた江藤淳のエセー(『一族再会』など)をはじめ、「保守主義者」の文章だった。
大学卒業近くになって、私は、自分がそういう言葉を紡ぐ才能がないから、これからは読み手の立場に回ろうと思って、一社会人として生きる道を選んだ。けれども、自分で言葉にできることは言葉にしていかないといけないのかもしれない……なぁんて、分不相応の使命感めいたものをいだいてしまった。
ああ、きょうも酔っ払ってるね(いったい、何に?)。タイミングを見計らったかのように、昔からの親友から電話が。

*1:芳林堂や青山ブックセンター東京堂書泉グランデは、1フロアではないので

*2:ルミネ1は、好きな分野と、デザイン関連が充実しているから、それはそれで結構好き。だから、新宿西口の東京モード学園ビルにできるブックファーストに対しては、多大な期待をしている

*3:そんなタイトルだった気がする

*4:といっても、草思社の本って、そんなに好きではなかったけれども、「草思」は好きだった

*5:私はあのシリーズが「スパ!」に連載されていた頃(オウム事件薬害エイズが新聞1面で報道されるようになったくらい)から読んでいた。また、ついでに書き添えておけば、それから数年間、私はマンガもむさぼり読んでいた。『編集王』も、『寄生獣』も『こち亀』も(中略)読んだ。高校生ぐらいになってからだろうか、同世代で「マンガはもう卒業した」とか言い出す人がいたけれど、そういう言葉を聴く度に、私はちょっと違和感を覚えた。マンガだから、文学だからというのは、もはやナンセンスでしょ、と。でも、いまとなっては、自分が若いときに読んだもの以外のマンガに手をだすことは、非常に労力が要ると思うようになってきた

*6:小中高を通して、授業で昭和以降の歴史を習った覚えがないので、わからない

*7:宮台真司とか斎藤美奈子がいっていたように、「自尊心にゲタを履かせるためのナショナリズム」(?)とか「オヤジの慰撫史観」には、なるほどと思わないでもない

*8:まぁそういっていても、就職活動開始以降は、日傾新聞を愛読するようになっていたが

*9:そもそもアルファートだかエルグラントだか、ああいうクルマを20代で買ってしまうということからして、とてもではないが共感できない。ああ、そういうわかりやすいところで、こじんまりとおさまるけですか、あなたは。と挑発めいたものをしたくなってしまう。と言ってしまう私は、やはり、ヤンキーなのだろうか。