本やタウン書籍近刊情報から 文芸、新書

■文芸

『獄中記』佐藤優 岩波書店 12月6日 1,995円
●512日間拘留された異能の外交官は、拘置所カフカ的不条理の中で、いかなる思索を紡いでいたのか。

獄中記なんだから、面白くないわけがない。これで面白くなかったら詐欺である。

『ちょっとまった! 青島だァ』青島幸男 岩波書店 12月7日 1,155円
●大胆にして繊細、マルチ人間にして一匹狼。一つの稀な個性の年代記。「無責任」という反時代の哲学と現代。

ちょっとまって、なんでいまさら青島幸男なの。

『つまみぐい文学食堂』柴田元幸 角川書店 12月19日 1,470円
サントリー学芸賞受賞の柴田氏がチキンポットパイ、鯨ステーキ、揚げリンゴ、ダンプリングなど、文学に登場する食べ物をテーマに綴ったエッセイ集。

柴田元幸に「サントリー学芸賞受賞」っていう修飾語句はいらない。

『犯人(ほし)に願いを 悪刑事』森巣博 徳間書店 12月19日 1,890円
●警察独特のパワーバランスを駆使して、ノンキャリア出身の警視総監目指しまっしぐら。抱腹絶倒ちょいとシリアスなケーサツ小説。

森巣博だもの、フツーのケーサツ小説でも、単なるハードボイルドでもないはず

立花隆の血となり肉となった500冊』立花隆 文藝春秋 12月上旬 1,365円
●あらゆる知的領域を踏破し、血となり肉となった500冊をはじめて一挙に語り下ろす。立花隆の無限大の知的宇宙を公開する。

語り下ろし?

■新書

『犯罪不安社会』浜井浩一芹沢一也 光文社 12月13日 735円
●日本の安全神話の崩壊は幻想。統計からは決して治安悪化とは言えない。効果ある犯罪対策実施のための正しい現状分析の必要性を説く。
『モノ・サピエンス』岡本裕一朗 光文社 12月13日 735円
●「臓器売買致し方なし」など、90年代にその萌芽が認められはじめた人間の物質=モノ化によって変質していく人類の未来を読み解く。
『名城の系譜』宮元健次光文社 12月13日 735円
●本書は、金沢城の軍事的偽装、幻の築城集団「穴太に石工」、人柱による地鎮祭など、全国の著名な城郭と城下町の最新研究報告である。

光文社新書のラインナップはいつも充実している。

ウェブ人間論梅田望夫平野啓一郎 新潮社 12月18日 714円
●ウェブの進化で人間はどう変化するのか。ビジネスの世界に住む梅田望夫と、文学の世界に生きる平野啓一郎が、その本質を徹底討論。

これ、新潮新書で出るとは思わなかった!

中公新書 12月20日発売
『「国語」の近代史 帝国日本と国語学者たち』安田敏朗 819円
●国民統合の名のもとに創始された「国語」。深く関与した国語学者たち。近代日本の国策に密接に寄り添った「国語」と国語学の軌跡を追う。
インドネシア』水本達也 819円
●300の民族、500の言語を有する巨大な国の独立から現在までを、国内外の問題点を浮き彫りにしながら、ジャーナリストが報告する。
感染症』井上栄 819円
●私たち日本人がこれからもっとも気をつけなければならない感染症とは何か。治療よりも予防が大切。感染症の基礎知識を身に付けよう。
古事記の起源 新しい古代像をもとめて』工藤隆 819円
古事記はどのように誕生したか。今に残る少数民族の神話などから古事記の原像を構築。新解釈で読み直すスサノオヤマトタケル像とは。

中公新書、あまり興味のないテーマでも気になる。

中公新書ラクレ 12月10日発売
『すべては脳からはじまる』茂木健一郎 735円
●「アハ!体験」などの研究で脳科学の世界の最前線を走り続けるモギ先生。氏の最新進化形を伝える「もっともわかりやすい脳の中の話」本。
『少年犯罪被害者遺族』藤井誠二 777円
●改正少年法でも癒されない少年犯罪被害者の遺族たち。本村洋氏らの肉声を通して明らかとなる日本社会の病巣。真実の言葉を伝える1冊。

藤井誠二というのは読売っぽくないセンス。

■文春新書 12月18日発売
『十七歳の硫黄島』秋草鶴次 840円
●日本の勇者たちの激戦の島で、玉砕の後にいかなる苛酷な戦争が続けられたか。17歳の少年兵が綴る国宝級の戦争本。NHK放映で話題。
『熟年恋愛革命 恋こそ最高の健康法』小林照幸 767円
●メールを駆使し、密会を重ねる不倫カップル。ナンパの口上を磨き、地方行脚の男性。80歳「現役」時代に性と愛を謳歌する男女を活写。
『忘れてしまった「第二の戦後」』鴨下信一 798円
朝鮮戦争進駐軍。暴力衝動。性の解放。歌舞伎、寄席、相撲の復活。ハードボイルド小説の上陸。凶悪犯罪。不可解な激動の時代

文春新書、小林本も鴨下本も前作がヒットしたから出たのかな。ということはアレやコレの続編もでるのかな。

丸善ライブラリー 12月中旬
『ようこそ量子』根本香絵/池谷瑠絵 798円
●量子という概念の誕生から量子コンピュータの最前線まで。知的冒険に満ちた量子のワンダーランドへご招待。

まだひっそりと続いていたんだ、丸善ライブラリー。