お前らの考えてることはぐるっとまるっとお見通しだ!

出版関係の同世代の人間に会うと、この質問をよくしている。
「いま、面白いと感じるとか、好きだとか気になる雑誌ある?」
たいてい返ってくる答えは、旭日新聞社「ア・エラー」「週刊旭日」、厳冬社「ギョーテ」、巷談者「クウリエ」。


おいおい、本気で思ってんのかよ。
どれも、ギョーカイ的評判がそこそこいい雑誌だからそういってるだけじゃないの(その証拠に、もう「クウリエ」を面白いという人はほとんどいない)。
「ギョーテ」創刊した頃は、「広告が(思ったより)入ってる」とか「(思ったより)売れている」と言われていた。それを「思ったより」の部分を聞き落としたか何かで、「ああそうか、『ギョーテ』はいいんだ」と錯覚したのではないか。


読んで面白いかどうかは別として、文芸志望だったら「エンタクシー」や「新潮」「群像」「文学界」「別冊文藝春秋」「小説ファウスト」(←ファウストはもう出ないんだろうな)が気になるだろうし、ジャーナリズム云々とかいうんだったら「デイズ ジャパン」「フォーサイト」「ファクタ」は気になるだろう。スキャンダル云々でいえば「実話ゴンナックルズ」とかの実話誌。学術系なら「RATIO」。サブカルなら、「クィックジャパン」「TVブロス」あたりだろうか。ほかにも「芸術新潮」「別冊太陽」「文藝別冊」「彷書月刊」「アルネ」etc


で、そのクセ、「最近の若い人は雑誌読まないんだよ、本も読まないんだよ」とかホザきだす。
そういう君は何を読んでるの。好きな作家は誰?
きちんと読んでるの。
あ、読んだんだ?
へぇ〜、でもそれって、自分の感想じゃないでしょ。他人の受け売りでしょ、それって。
豊崎由美の書評のまんまでしょ、それ。しかも、君さ、豊崎由美が書評で取り上げない作家のことってまったく知らないじゃん。それなのに、文芸誌やりたいとか言ってるわけ?


そういう奴に限って「ベストセラー出さないと、会社の経営が危ない」とか言い出す。
ベストセラーって、出そうと思って出せるもんじゃない(まぁ最近は結構仕掛けよう仕掛けようとする人が土曜朝の赤坂などに出没しているけれど)、ベストセラーに頼る経営って時点で危険だ。
強打者1人か2人いればいいって、草野球じゃないんだからさ。下位打線もそこそこ充実させなければダメなんだよ。それでつなげていかなきゃダメなんだよ。
本や雑誌が好きな人、毎月本や雑誌をそこそこ買う人に、「ここの出版社の本なら、買ってもいい」って思わせるようにすべきじゃない? 


そもそも、出版社勤務で、東京在住で、神保町すら行ったことがないというのはどーなのか。
ブックオフ敵視しているのに、ブックオフでよく見かけるような本ばかり読んでいるのはどーなのか。
「ベストセラーだけが本である」かのように言うのは、なぜか。


そうグチってばかりでも、しょうがない。
ので、このへんで止める。