岩波書店 10月の新刊

小林照幸全盲の弁護士 竹下義樹』
■体裁=四六判・上製・カバー・288頁
■定価 2,310円(本体 2,200円 + 税5%)(未刊)
■2005年10月5日
日本初の全盲の弁護士はいかにして誕生したのか.点字六法全書もない状況から,司法試験の点字受験を実現させ,その最初の合格者となったのは,多くのボランティアに支えられながら奮闘を続けた竹下義樹という男だった.盲人のかかえるハンディキャップを乗り越え,社会的弱者のために闘う弁護士の,感動のドキュメント.

政治家やめます。―ある自民党代議士の十年間 僕が、落語を変える。 熟年性革命報告 (文春新書)
あの小林照幸の作品だから、結構気になる。

岩波現代文庫
鈴木隆けんかえれじい(上)』
■体裁=A6.並製・448頁
■定価 1,050円(本体 1,000円 + 税5%)(未刊)
■2005年10月14日
部麒六は洗礼名アウグスチノ,カトリック信者である.喧嘩となれば先手必勝,緒戦からひたおしに押し捲る.スッポン先生直伝の喧嘩必勝法を身につけ,岡山二中から,会津喜多方中学へ転戦.嗚呼憧れの道子さん,世に戦雲は沸き起こる.麒六は波乱の早稲田大学へ……昭和戦前を駆け抜ける熱血痛快青春エンターテインメント.

鈴木清順―けんかえれじい (人間の記録) けんかえれじい 1 (角川文庫 緑 523-1)

岩波現代文庫
本多秋五『物語 戦後文学史(下)』■体裁=A6.並製・368頁
■定価 1,050円(本体 1,000円 + 税5%)(未刊)
■2005年10月14日
若い世代の人々よ,出来うべくんば戦後文学の精神を精神とせよ,たとえそれが戦後文学の徹底的否定になろうとも――『太陽の季節』の出現で「戦後文学の時代」は終わる.しかし,堀田善衞,野間宏椎名麟三梅崎春生武田泰淳らの文学的苦闘が,日本人の思想に刻んだものは何か.波乱の戦後文学史を描ききった名著の完結篇.(解説 川西政明

文士と姦通 (集英社新書) 解説の川西政明といえば、『文士と貫通』。大槻ケンヂが「本の雑誌」で書いていたように、『文士と貫通』はトンでも本の一種だと思う…

岩波現代文庫
磯崎新『建築家捜し』
■体裁=A6.並製・282頁
■定価 1,050円(本体 1,000円 + 税5%)(未刊)
■2005年10月14日
建築家とはいったい何者であるのか.世界の建築界に鮮烈な衝撃を与えてきた筆者が,内外の建築,建築家との対話を通じて,この根源的な問いに向き合う.「他者としての建築家」を定義しつつ,建築の解体,反芸術,虚体の都市など,自らの思考と仕事の軌跡を語り尽くす.全章で10年間の補遺を加筆した決定版.

岩波新書 新赤版 971
原彬久『吉田茂―― 尊皇の政治家 ――』
■体裁=新書判・並製・224頁
■定価 819円(本体 780円 + 税5%)(未刊)
■2005年10月20日
戦後日本の出発期に首相・外相を務め,政治・外交の軌道を敷いた吉田茂.その講和・安保条約締結は,軽武装・経済第一主義の確立によって後の繁栄を招いたと評価されがちだが,果たしてそういえるか.著者は,彼の遺した書簡,公開された外交文書,関係者からの聞き取りを通して,天皇体制の徹底した擁護者という新しい吉田像を描き出す.

戦後史のなかの日本社会党―その理想主義とは何であったのか (中公新書) 岸信介証言録 岸信介―権勢の政治家 (岩波新書 新赤版 (368))
原の『岸信介――権勢の政治家』が岩波新書の1冊として刊行されてから10年。おそらく、この本も名著だろう。