古本屋怖い。
新刊書店やブックオフなどの新古本屋は全然怖くないが、古本屋は怖い。
新刊書店では本の値段に対して敏感になるから財布をすっからかんにすることはないし、新古本屋では値段や品揃えがアレだからそれほど懐が痛まないけれど、古本屋だといつのまにか財布の中身が……。
新刊書店の店員や新古本屋の店員は怖くないけれど、古本屋の店主や店員は怖い。
全国各地から読書人や読書家、研究者が集う古書店街の古本屋の店主は、特に怖い。
数年前、早稲田のある古本屋(夫婦喧嘩が名物?だった)が閉店セールをしていた頃、岩波文庫の緑帯の面白そうなものを片っ端から買おうとしたことがある。
そのとき、店主に言われた。
「文学部の学生さんなら、これと決めた作家をひとり、しっかり読んで、研究しなさい」。「目的意識を持って読書をすること」など、いくつもの親切なアドバイスをしていただいた。非常にありがたかった。
もし、そのアドバイスの百分の一でも実行に移していたら、もうちょっとはマシな読書家や研究者になっていたかもしれないけれど、いまでも私は、これといった目的意識を持たず、ただ面白そうな本を読んでいるだけです...。
古本を買うとき、あるいは店主や店員と話すとき、私にとっては古本のプロは畏れ多すぎるので、結構緊張してしまう。
早稲田の古本屋の中でも、一番怖いのは、平野書店。
(いろんな意味で)清水の舞台から飛び降りるつもりで、
日本近代文学館編『日本近代文学大事典』〔講談社 全6巻 1977-78年刊〕を2万3千円で購入。早く読みたい第五巻「新聞・雑誌」以外は郵送してもらうことに。
それから、古書現世に。
『若者たちの神々Part1』(朝日新聞社 1984年11月刊)を100円で、
『若者たちの神々Part2』(朝日新聞社 1985年5月刊)を100円で、
『若者たちの神々Part3』(朝日新聞社 1985年9月刊)を100円で、
『若者たちの神々Part4』(朝日新聞社 1985年9月刊)を100円で、
『編集長たちが語った。』(実業之日本社 1988年5月刊)を1200円で、
「Bookish」9号〔特集 山田稔の本。――小説とエッセイの間で――〕を購入。
sedoroさんが店番をしていたので、恐る恐る自分が東川端だと名乗る。
いこいさんの話など聞きたかったのだけれど、うまく話せず…(自分のあがり症を恨む)。
帰り際、目録を戴く。
古書店街をぶらぶらしたあと、あゆみブックスで「R25」9月1日号を貰う。
今週のロング・インタビューは、リリー・フランキー。
その後、東西線で九段下まで行き、神保町をぶらぶら。
東京堂書店神田本店にて
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東京堂書店ふくろう店
坪内棚から、
多川精一ほか『聞き書きデザイン史』(六曜社 2001年6月刊)を961円で、
堀切直人『ヘルメスは自転車に乗って』(沖積舎 1991年7月刊)を874円で、
堀切直人『喜劇の誕生』(沖積舎 1987年1月刊)を699円で、
谷沢永一『論より証拠』(潮出版社 1985年3月刊)を882円で購入。
一番怖い本屋は、坪内棚や紀田棚の古本コーナーかもしれない。
店内には新刊書ばかりだから、相対的にこの棚の古本が(たとえ他の古本屋ではもっと安く買えるものだとしても)安く感じられ、値段に対して鈍感になる。また、新刊書店ではまず買うことができないと思うと、いま買っておかなければと思ってしまう(最近、新刊書がどんどん入手しづらくなっているので、新刊書店だと私はそう思いこみやすい。古本屋だとあまりそう思わないのだけれど)。
ちなみに坪内棚の新刊コーナーにおいてある『村松友視のサミング・アップ』〔ナイスデイ・ブックス 1990年12月刊〕、あろうことか奥付には「著者――――松村友視」と記載されている。うぅむ。
三省堂書店神田本店にて
「にっぽん60年前」 カラーでよみがえる愛蔵版スティールコレクション (毎日ムック)
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1998年から2000年にかけて毎日新聞社から刊行された、西井一夫編集の「シリーズ20世紀」に較べると、1680円という価格は高めに感じられるけれど、(「シリーズ20世紀」には掲載されていない)60年前の日本の風景をカラーでとらえた写真ばかり。