上原隆『雨の日と月曜日は』新潮文庫
- 作者: 上原隆
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2005/05
- メディア: 文庫
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映画のような、といっても、私の書くものはハリウッド映画ではなく、八ミリ映画だと思っている。
カタカタと映写機の音がして、白い壁に映し出される映像は、画質が粗く、動きがぎこちない。映っているものといえば、旅行先の家族や、自分の部屋や、原っぱを走りまわる犬といったたわいのないものばかりだ。なぜかそのたわいもないものが胸に迫る。八ミリ映画は切ない。
その切なさが私の文章にも宿っていることを願う。
この本を読んでいて、穂村弘の文章好きな若い人は、上原隆の文章もきっと気にいるだろうな、と改めて思った。